私立中学に入れば塾代がかからないというのはウソ

私立中学受験を考えるときに、「私立中に進学すれば授業料はかかるけど学習塾代がかからないので、トータルで考えれば学習塾代がかかる公立中よりも安い」という説があります。

 

必ずしもそうはなりません。
前提が間違っているからです。

 

私立中でも半分の人は塾に通っている

何が間違っているかというと私立中に進学すれば学習塾代がかからないということ。
私立中学に通っている人の約半数は塾に通っています。

 

あまり知られていませんが全国的な統計データで確認することができます。
元データは文部科学省が行っている「子どもの学習費調査」。

 

子どもの学習費調査(平成26年度)によると私立、公立中学別の学習塾費の支出率(支出している人の割合)と年間平均額は下記のとおりです。

 

私立中公立中
学年支出率年間平均金額支出率年間平均金額
1年49.8%215,000円60.6%206,000円
2年55.6%255,000円65.3%247,000円
3年55.7%282,000円84.3%387,000円

(データ出所:文部科学省「子どもの学習費調査(平成26年度)」)

 

公立中と比べると塾に通っている生徒の割合は少ないのですが、私立中でも半分近くの子は塾に通っているのが現実です。塾に通う必要がないというのはウソ

 

私立に入ったけど授業についていけないといったことで塾通いをしている人が少なからずいます。「私立中向け塾」とかで検索するとそうした学習塾もあることがわかります。

 

塾に通わないで済むのはどんな子か?

半分は通っているということは半分は通っていないということですよね。
では、私立中で塾に通わないで済む子はどんな生徒でしょうか?

 

それは、中学受験のときに塾通いをあまりしていなかった子です。パターンは2つ。

  • 塾に通わなくても勉強ができてしまう地頭の良い子
  • 塾よりも自分で勉強したほうがはかどる子

こうした子は私立中に行っても塾に通わなくて済みます。

 

反対に言えば中学受験で塾に通って必死で合格したような子は危険です。中学に入っても塾通いが続く可能性があります。実際に半分の子はそうなっているのです。

 

となると、トータルで私立中のほうが教育費が安くなるわけがないですよね。
間違った前提で私立に進学するか公立に進学するかを決めないようにしてください。