私立中学と公立中学での教育費の差は2.8倍

私立中学と公立中学で教育費がどのくらい違うのかについて調べてみました。元データとしたのは、文部科学省が行った「子供の学習費調査(平成26年度)」。

 

調査は全国の公立私立の小中高を対象としたもので、合計で1,140校、29,060人のデータとなっています。

 

塾などの民間企業が行う調査には自分たちに都合の良いようにデータを取得しているものもありますが、文科省のものであれば規模的にもそうした心配はありません。

 

では、調査結果を見てみたいと思います。

 

教育費は公立中「1」に対し、私立中「2.8」

平成26年度の一年間でかかった教育費の総額は、公立中に通っている場合が48万1,841円に対し、私立中だと133万8,623円

 

比率にすると、公立中「1」に対し、私立中「2.8」と約3倍の差。

 

私立中は高いイメージがありますが、1年間で100万円を軽く越える金額。
ただ、公立中でも約50万円はかかるんですね。

 

この教育費(調査結果では学習費総額と記載)の内訳をみてみると、それぞれ次のようになっています。

公立中、私立中の1年間の教育費内訳

公立中

私立中

学校教育費

12万8,964円(26.8%)

102万2,397円(76.4%)

学校給食費

3万8,422円( 8.0%)

4,154円( 0.3%)

学校外活動費

31万4,455円(65.3%)

31万2,072円(23.3%)

 

違いがわかりやすいですね。

 

差があるのは「学校教育費」。私立の場合は授業料などがかかるので、この金額が大きくなります。公立の場合は、制服代、部活動費、修学旅行費などがここに該当します。

 

反対にほぼ同じなのは「学校外活動費」。
これには塾や家庭教師の費用だけでなく、習い事の費用などもココに含まれます。

 

これは1年生から3年生までの平均。
学年別にみると、また違いがあります。

 

公立中は3年生、私立中は1年生が最も教育費がかかる

学年別に教育費の総額を公立中と私立中で比較すると下記のようになります。

 

公立中、私立中の学年別の教育費内訳

公立中

私立中

1年生

46万1,999円

162万0,365円

2年生

40万6,587円

115万2,483円

3年生

57万6,238円

124万4,464円

 

公立中で最も教育費がかかるのは3年生のとき。これは高校受験のための学習塾費などが増えることが原因です。2年のときと比べると17万円も増えることになります。

 

私立中で最も教育費がかかるのは1年生のとき。入学金が1年生のときは必要なので高くなってしまいます。